2022年度

2022年度第3回メンバーイベント(2023.3.10 品川&オンライン)

投稿日: 2023/02/06 19:18 (修正日:2023/2/24 13:41)

2022年度第3回メンバーイベントの開催が以下のように決定いたしました。

開催形式は、現地参加と限定的オンライン配信の限定的ハイブリッドで開催いたします。

是非、ご参加ほど、どうかよろしくお願いいたします。 


◆開催日時・場所

日時:2023年3月10日(金) 13:00〜17:00

場所:AP品川アネックス(港区 品川駅 高輪口) Qルーム

   〒108-0074 東京都港区高輪3-23-17 品川センタービルディング 1F・B1F(受付1F)

   https://www.tc-forum.co.jp/ap-shinagawaanex/access/


◆開催方式

限定ハイブリッド(現地参加+限定的なオンライン)

(=高度なソフトや機器などを用いたWebinarではありません)

で開催いたします。 



プログラム

13:00 開場

13:30-13:35 開会挨拶

13:35-14:25 講演1 "見て感じる質感"から"測って分かる質感"へ向けて

講演者:清川 宏暁 先生(産業技術総合研究所

ヒトの視覚系は質感をどのように知覚しているのだろうか?過去の多くの研究では、視覚系がシンプルな画像特徴を手がかりに質感を知覚していることを報告している。また、複数の画像特徴を組み合わせた計算モデルによって、ヒトの質感知覚量を良く説明できることも報告されている。我々の行った光沢感や半透明感に関する研究では、光沢感を高い空間周波数成分の輝度コントラストで説明できることを報告した。また、不透明、かつ、平坦な陰影成分に凸凹を感じる光沢成分を合成するだけで半透明感を誤知覚するという錯視を発見した。この錯視を説明可能な画像特徴の検討から、錯視ではない半透明感の知覚量すらも予測可能な、画像特徴に基づく計算モデルを提案した。今回は、それらを含む、質感評価のための基盤知見となる研究を紹介する。

14:25-14:40 休憩(15分)

14:40-15:30 講演2 ヒト研究者による自律型モビリティ研究への展開

講演者:田村 秀希 先生(豊橋技術科学大学)

スマートシティに向けたまちづくりが政府主導のもとで強力に推進されている.新技術や各種データ活用を積極的にまちづくりに取り入れることで,社会課題に対応すると同時に,市民の幸福度の向上が目指されており,特に,ヒト・モノの自由な移動・配送のため,ヒトと共生する「自律型モビリティ」の活躍が期待されている.本講演では,ヒトの視覚を対象に研究してきた講演者が最近興味を持っているヒト対自律型モビリティの研究事例を,実験結果を交えて紹介する.

15:30-15:45 休憩(15分)

15:45-16:35 講演3 光沢知覚:手がかり、立体映像の利点、脳内機構、顔の魅力への影響

講演者:坂野 雄一 先生(愛知学院大学

光沢知覚は計算論的には不良設定問題の解決である。そのため、その解決法の解明は科学的に大変興味深い。また、光沢が感性価値に与える影響はありそうであるが、その科学的研究はまだ多くない。一方で工学的には、光沢の再現方法やその評価手法には改良の余地がある。本講演者らはこれまで光沢知覚の科学的側面と工学的側面の両方に着目し、研究を実施してきた。本講演では、他グループによる関連研究と合わせてご紹介する。具体的には、(1)両眼性手がかりや動的手がかりが光沢知覚に与える影響、(2)二つの方式の立体映像による光沢の再現法とその定量評価、(3)光沢知覚の脳内機構、(4)光沢とその種類が顔の魅力度に与える影響とその神経相関の研究結果をご紹介する。

16:35-16:40 閉会挨拶 


以下のフォームをご利用の上、申込は、2023年3月3日(金)までにお願いいたします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeURKTTjiEn9eYUhh54Ub30Y_cP7k4FyLGEVSpmF2dYjNmYTQ/viewform?usp=sf_link


◆問合先

視覚科学技術コンソーシアム 事務局

E-mail:office@vsat.jp

2022年度第2回メンバーイベント(2022.11.25 名古屋&オンライン)

投稿日: 2022/11/07 22:07

2022年度第2回メンバーイベントの開催が以下のように決定いたしました。

今回は、錐体、杆体以外の視細胞として作用しているメラノプシン細胞(ipRGC)について、ご研究されている3名の先生方に講演をお願いいたしました。メラノプシン細胞が視覚にも作用していることが報告されているため、多くの方にとって、非常に興味深い知見が発表されると思います。

開催形式は、現地参加と限定的オンライン配信の限定的ハイブリッドで開催いたします。


◆開催日時・場所

日時:2022年11月25日(金) 13:30〜16:40

場所:名古屋市立大学 北千種キャンパス 総合情報センター2階 大ホール

   〒464-0083 名古屋市千種区北千種2-1-10

   https://www.nagoya-cu.ac.jp/access/kitachikusa/


◆開催方式

限定ハイブリッド(現地参加+限定的なオンライン)

(=高度なソフトや機器などを用いたWebinarではありません)

で開催いたします。 


◆プログラム

13:00 開場

13:30 開会挨拶

13:35〜14:25 講演1 メラノプシン細胞への刺激によるコントラスト感度の促進作用 

講演者:辻村 誠一先生(名古屋市立大学)

メラノプシン細胞(もしくは内因性光感受性網膜神経節細胞: ipRGC)は、概日リズムの調節や、瞳孔の対光反射等に寄与することが知られている。加えて、最近の研究ではメラノプシン細胞が視覚系に影響を与えることが報告されている。本研究では、メラノプシン細胞への刺激がヒトの空間コントラスト感度(視力)にどのように影響を与えるかを検証した。

実験では、背景のメラノプシン刺激量を変化させた条件で、コントラスト感度関数(CSF: Contrast Sensitivity Function)を測定した。実験の結果、背景のメラノプシン細胞への刺激量を変化させることによって、CSFが促進されることが示された。このことは環境光のスペクトラムを調整することによって、視力を促進することが可能であることを示唆している。

14:25〜14:40 休憩(15分)

14:40〜15:30 講演2 メラノプシン:内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)の実用的な視覚への影響 

講演者:デロイヤー・タンナー先生(高知工科大学) 

殆どのipRGC研究では、コントラストを最大化して視覚における最大の効果を得る為に設計された実験室条件に焦点を当てている。私達の研究室では、より伝統的な心理物理学実験によってipRGCが視覚にどの程度影響するかを調べることに焦点を当てている。色と明るさの変化とipRGC効果との相互作用を調べており、現在、周囲誘起効果によるipRGCの影響を調べている。これらの研究とipRGC が実際の視覚に及ぼす影響を調べた他の研究室からの研究について説明する。 

15:30〜15:45 休憩(15分)

15:45〜16:35 講演3 メラノプシン細胞(ipRGC)の明るさと色の知覚への寄与 

  講演者:岡嶋 克典先生(横浜国立大学) 

私たちは網膜にある3種の錐体(L,M,S)と杆体(rod)の視細胞を使って外界の光情報を取得していると言われていますが、メラノプシン細胞(ipRGC)も視知覚に影響することが最近明らかになりつつあります。今回は、メラノプシン細胞(ipRGC)が明るさと色の知覚にそれぞれどのように寄与するかを調べた実験を紹介します。最初に明るさ実験において、等輝度・等色度の刺激光でも、メラノプシン細胞の刺激量が大きくほど明るさ感が増大し、その効果を定式化できることを示します。この結果は、等輝度・等色度の光でも、分光分布が異なると明るさ感が変化することを意味します。次に、異なるデバイス間でも分光分布を等しくすれば等色することから、測色値が同じでもデバイス間で色の見えが異なる原因が視細胞感度の個人差and/or錐体以外の刺激量に依るものであることを示し、視細胞感度の個人差の影響を除去しても、錐体刺激量だけでは等色が保証されないことから、メラノプシン細胞と杆体が明所中心視においても色知覚に寄与していることを示す結果を紹介します。これらの結果は、現状の測光学・測色学の限界を示すとともに、新しい測光学・測色学の必要性を示唆しています。

16:35 閉会挨拶


以下のフォームをご利用の上、申込は、11月21日(月)までにお願いいたします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf6v8Id0iuovF78bXU0oh-SQ5Q6BSqBkb1HnbZDnAEoJYjWqA/viewform?usp=sf_link


◆問合先

視覚科学技術コンソーシアム 事務局

E-mail:office@vsat.jp

2022年度第1回メンバーイベント(2022.7.22 東京新宿&オンライン)

投稿日: 2022/06/06 15:50

◆開催日時場所

日時:2022年722日(金) 13:3016:45

場所:TKP新宿カンファレンスセンター カンファレンスルーム5B

   〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-14-11 Daiwa西新宿ビル 4F/5F/6F

   https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-shinjuku/access/

   ※ 現地参加とオンライン参加が可能なハイブリッド型で行います。

   ※ 現地参加をご希望された場合、会場の定員(35名)の都合により、オンライン参加をお願いする場合があります。


◆プログラム

13:25 開会挨拶

13:30〜14:30 講演1 「第6の指」の身体化と脳活動の潜在性

講演者:宮脇 陽一先生(電気通信大学)

生まれながらにもっていない新しい身体部位が得られたら、それを自分の体の一部として感じることができるでしょうか?またそうした新しい身体部位は、脳の中で自分の体として認識されるのでしょうか?こうした問いにアプローチするため、生まれながらに持っている手指に対して新しく追加可能で、かつ他の体の部位とは独立して動かすことができる「第6の指」を人工的に作成し、それが自分の身体の一部として感じられるのか(身体化可能か)、また脳活動はそれにともなってどの様に変容するのかを調べました。実験の結果、「第6の指」が身体化したかどうかの主観的な感じ方の強い人ほど、「第6の指」をつけることによって生じた手指感覚の曖昧さ(小指側の位置の曖昧さ)が大きいことがわかりました。これらの結果は、「第6の指」を自分自身の体の一部として身体化できることを示しています。また脳活動計測実験の結果からも、脳活動が「第6の指」の装着によって変容する可能性がわかりました。本講演では新しい身体部位の身体化に関する私たちの最近の取り組みを紹介しつつ、新しい身体部位に応じて変容する脳活動の潜在性について議論したいと思います。

14:30〜14:45 休憩

14:45〜15:45 講演2 VRにおける自己身体知覚

講演者:繁桝 博昭先生(高知工科大学) 

メタバースという目新しい言葉とともに,バーチャルな空間で自らの分身であるアバターの身体を操るVRの技術が注目されている。アバターは自身とは大きく異なる身体を用いることも多く,こうしたアバターを自己の身体としてどのように知覚するかは,メタバースにおいてアバターを直感的に操作する上で重要である。

同期した視触覚刺激を巧妙に与えると作り物の手が自分の手のように感じられるラバーハンド錯覚が代表的な例であるが,私たちの身体に対する知覚は比較的柔軟に変容する。VRにおいても,アバターの身体位置の視覚フィードバックを操作すると,自己受容感覚による自己身体の位置の知覚や運動出力が変化する。本講演では,バーチャル空間上の身体の位置や動きが現実と異なる場合や,さらには現実にはありえないような身体でも,その身体にある程度適応して自己身体知覚が変容することを紹介する。 

15:45〜16:00 休憩

16:0016:45 両先生のデモ (VRデモ及び6本指のデモなどを部屋の左右で同時開催) 

16:45 閉会挨拶


以下のフォームをご利用の上、申込は、7月15日(金)までにお願いいたします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSce8GTlIP4QrCEuEw3bI2iUcW3ac63-nFRM8Gk3k_ab4FQ-tA/viewform?usp=sf_link


◆問合先

視覚科学技術コンソーシアム 事務局

E-mail:office@vsat.jp